武田先生より上記イベント報告の転送がありましたが、私と生協ピースプロジェクトの友人2名、計3名でその日参加してきました。
昨日激動の参院選挙も終わったということで、選挙関連ということで思い出したかのようにイベント報告アップします(笑)
7月14日(土)@キャンパスプラザ京都で、軍隊を持たない平和国家として知られる永世中立国家コスタリカの平和ビデオ(主に選挙中のコスタリカの取材・インタビュー。コスタリカ研究家・足立力也さん制作)の上映とコスタリカ人ロベルト・サモーラさんの講演がありました。
この日は台風が大接近ということで主催者側は聴衆ゼロも覚悟していたのらしいのですが、蓋を開けてびっくり。定員289名の講堂に100人は集まっていたのではないでしょうか。約1年半の日本滞在で70本近くの講演をこなしてきたロベルトさん。最後の講演となった京都で一番感動したのは、この講演がもっとも多く若者が集まったことだそうです。活気もありました。見たところ同年代の学生はたくさん集まっていましたし、質疑応答コーナーの前には本当に多数の質問が2人に寄せられて、足立さんが質問の絞り込みに追いつかないほどでした。
講演の前半は足立さんによるコスタリカの概説。自作のDVDを見ながら、コスタリカでの選挙期間中の様子、投票当日の首都サンホセの様子を紹介してくださいました。6歳以上の子どもたちによる模擬選挙が行われる国としても知られており、投票の日は家族連れが目立ちます。入り口を抜けると投票所が二手にわかれていて、子どもたちの投票所、有権者の投票所があるんです。もちろん子ども投票所の「選管委員」は子どもです。小学生に候補者に投票した理由を聞いても「顔が好きだから」とか「CMの歌がいいから」などそんな理由ばっかりですが、これでいいんです。投票用紙を手にし自分で選んで投票する=選挙権の行使というのを体で学んでいくのが重要なのでしょうね。
去年、コスタリカに長いこと滞在していた私ですが、この国のいいところは政治を身近なテーマとして語りやすい雰囲気があることだと思います。音楽の趣味を話すのと同様に、大学でも友達との日常会話にちょっとした政治の皮肉が出てきたり、現在の政策について意見を交わしたり、街角をデモ行進したり(といっても日本のそれとは違い、お祭り半分ですが…笑)と、本当に市民ひとりひとりが簡単に共感や違和感を表明します。
この前の伊藤千尋さんの講演会の話にも通じますが、普段の生活で「おかしい」と感じたことを表明するのが「市民力」であり、権利は「守る」のではなく「行使」することで国の行き先を決めるのだと感じました。
後半は、大学時代に米国のイラク戦争を支持した時の大統領を憲法違反で訴え、勝訴したサモーラさんのお話。裁判所に訴訟を起こした動機や反響を聞かれると、「こんなことで注目される自体おかしい。コスタリカ人のアイデンティティの中に平和の概念は当たり前のように存在してきたのに、自国の大統領はそれを危機に陥れた。だから訴えた、それだけのこと。」と述べていました。
また、コスタリカの憲法12条と日本の憲法9条の比較はバックグラウンドが違うから単純に論じれるものではないとしながらも、憲法9条をどうするかは国際的関心事であり、日本人はこれを国内問題として考えるのでなく、世界平和や紛争の抑止力として日本の憲法がどう働いていくかについても考えてほしいと述べておられました。
質問では、今日のコスタリカとアメリカとの向き合い方について質問が多く出されました。私の質問も(アメリカとのFTAに関するものでした)紹介されて良かったです。
質問用紙に「サモーラさんと同じコスタリカ大学で去年学んでいたんですよ!」っていうメッセージを載せたのが効いたのでしょうか?笑
私はコスタリカがあたかもユートピアであるかのような風に紹介されるのは大嫌いですが、この国から日本が学べる部分はたくさんあると思います。
教育予算の重視やエコツーリズムの発展など政策もそうですが、彼らのなにげないこと(家族の健康や自然の移り変わり)に感動する心は物質的に豊かになりすぎてマヒ状態になっている日本人にとても多くのことを気づかせてくれます。平和とはそんな大げさに語るものではなく、自分の身のまわりの幸せから見出していくものなんですね。
スポンサーサイト